犬の病気
結膜炎
結膜炎は瞼結膜・球結膜が炎症を起こしている状態です。結膜は外界と直接ふれるため、さまざまな事が原因で炎症を起こします。目やに・充血・涙目・浮腫・かゆみ・痛みなどの症状がみられます。
- 目ヤニが多くなった
- 目が充血している
- 涙目になっている
犬が目を強くこすったり、目に毛が入るなどの物理的な刺激や、アレルギーが原因となる痒み、細菌などの微生物が入ってしまうなど、様々な原因で結膜炎になります。
何が原因で結膜炎になったのか原因をつきとめ、原因に対する治療を行います。
細菌感染が原因の場合は、抗生物質の目薬や眼軟膏で治療をします。かゆみが原因で眼をこすりすぎてしまう場合は、エリザベスカラーをつけることもあります。
外耳炎
外耳炎とは、耳の穴の入り口から内側にある鼓膜までの外耳道の炎症のことです。
慢性化すると皮膚が厚くなってしまい外耳道が狭くなることで治りにくくなります。
- 常にかゆそうにしている
- 頭を振る
多くの場合、アレルギーやアトピーと関連しているので、耳に限局した問題なのか、全身の問題なのかを把握する必要があります。
外耳炎を起こしやすい犬種はスパニエル等、シーズー、プードル、柴犬、ウエストハイランド、ゴールデンレリバー、ラブラドール、ビーグルなど、アレルギーを持っていたり、耳が垂れている犬種です。
まずは検査を行い、原因菌が確認できたらそれに合った抗生物質や、抗真菌剤を投与します。
アレルギーが基礎原因であれば、アレルギーに対する治療を併せて行います。
耳血腫
耳たぶに血液が貯まり、耳が風船のように膨れてしまう病気です。
ゆっくり進行するというよりも、数日でみるみる耳たぶが腫れる場合が多いです。
- 立っていた耳が垂れている
- 耳たぶが腫れている
はっきりとした原因はまだ解っていません。アレルギーを持つ犬種に多いことから、免疫の問題が関与しているとも言われています。
好発犬種はゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ビーグルなどの垂れ耳でアレルギーを持ちやすい犬種と言われています。
まず耳たぶに貯まった血液を除去した後、内科的、もしくは外科的に治療します。
内科では、耳たぶをテープで抑え、さらに頭に耳を反転させる形で固定して1週間から数週間保持し、再び血液が貯まらないようにします。外科では耳たぶを数か所にわたって縫合することで、再び血液が貯まらないようにします。
耳血腫はその原因がまだ解っていないだけに、その子その子に合わせて治療法を選択する必要があります。
椎間板ヘルニア
ミニチュアダックス、コーギー、シーズー等のいわゆる胴が長い犬種がかかりやすい病気です。
- 元気が無くずっと寝ている
- 背中を丸めて痛そうに震えている
- 階段や段差を避ける
好発犬種であるダックスフンド、シーズー、ビーグルなどは軟骨様異形成と言って、早期に椎間板が変性することでヘルニアを発症します。肥満の程度と発症には因果関係は無いので肥満体形でない犬でも発症するリスクがあります。脊髄が脱出した椎間板物質によって圧迫されるため、軽度であれば背部痛のみですが、進行すると後肢の痺れ、起立困難、排尿、排便困難などの重篤な症状が現れます。
症状が軽度であれば、鎮痛剤と完全なケージレストで改善することもありますが、麻痺が生じている場合には迅速に手術を行う必要があります。当院では椎間板ヘルニアの手術については専門病院を紹介しています。
甲状腺機能低下症
代謝を司るホルモン量が減る事で様々な症状が現れる、中年齢から高齢犬の病気です。
- 寝ている時間が長くなった
- 毛が薄く、肌が乾燥している
- 震えている
甲状腺は気管の両脇に存在し、代謝を司る甲状腺ホルモンを分泌していますが、このホルモン量が減少することで、様々な症状が現れます。一般的に体温が下がる、活力が減る、体を震わすなどいかにも「歳をとった様子」になるため、家族の目からは「加齢によるもの」と捉えられ、病気と認識されにくい疾患です。
特に中年齢から高齢のゴールデンレトリバー、ボルゾイ、ボクサーなどの大型犬が罹患しやすい病気です。
臨床症状や身体検査でこの病気が疑われれば、一般血液検査に加え、甲状腺ホルモン値を測定します。
ホルモン値が低ければ甲状腺ホルモン剤を毎日飲む事で症状を改善することができます。
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